2021/07/23 05:17
2021/07/23 05:17
起きあがり小法師、おきあがりこぼしとも言います。
傾けたり 倒れたりしても、すぐ起き上がるようにした、だるまなどの形をした日本のおもちゃです。
起き上がりこぼしのルーツはその由来になっているのは中国の酒胡子(しゅこし)と言われています。
酒胡子(しゅこし)とは、中国に唐の時代からある木製人形でお尻部分がとがっていて、転がして止まった先にそのお尻が向いた人が杯(さかずき)を受ける、或いは何か芸をするという遊びに用いられていました。
明の時代には、これが紙張り子で作られるようになり、酒の席のおもちゃとなりました。
室町時代に日本に渡来し、倒しても起き上がることから、不老長寿の意味で不倒翁と呼ばれましたが、童形に作り替えられて、「起き上がり小法師」という和名になり、独自の進化をとげていきます。
その起き上がり小法師から張子や木、土などでできた「起き上がりだるま」が誕生しダルマ人形のルーツにもなり、こどものおもちゃにもなっていったと言われています。
江戸時代初期には、地方から江戸へ伝えられ、広い社会層に受け入れられました。
転んでもすぐに起き上がるところから、「七転び八起き」・「無病息災」・「家内安全」・粘り強さ・健康・復興のシンボルとして縁起がいいとされており、縁起物・郷土玩具の一つにもなっております。
昔から出産祝いや赤ちゃんへのおもちゃとして広く親しまれてきた、起き上がりこぼし。
昭和の最盛期には、新生児期から与えることができるおもちゃとして人気となり、複数のメーカーから様々なデザインや表情・模様が描かれた起き上がりこぼしが販売されておりました。今でも、現代風デザインなどで一部販売されております。
「ドラえもん」のあの丸っこいフォルムのモデルとなったのも「起き上がりこぼし」からです。そのことは、「ドラえもん」創作秘話マンガ『ドラえもん誕生』(1978年)の中で明かされており、ご自宅で娘さんの「起き上がりこぼし」を踏んでしまい、揺れる「起き上がりこぼし」から出る音色を聞いた瞬間、ドラネコと組み合わせたドラえもんの姿、キャラクターにひらめいた、藤子・F・不二雄先生の様子が描かれております。
昭和の時代に多く製造された「起き上がりこぼし」ですが、現在はレトロな見た目と可愛さが受け、室内のインテリアとして飾られたり、癒される音色で演奏がされたり、演劇で利用されたり、ドラマの小道具として利用されたり等、レトロなデザインの「起き上がりこぼし」は隠れた人気商品となっております。
現存する昭和に製造された「おきあがりこぼし」の多くは素材がセルロイドの為、長期保存には向かず、時間経過と共に変形、割れ、凹み等劣化し、現存数は激減しております。
★TVで放送されたのが製造のきっかけ
当店が、テレビ東京系列にて放送の番組にて紹介をして頂きました。
取扱い商品の当時製造された「起き上がりこぼし」を紹介した様子が放送がされ、後日番組を観たと来店頂きましたお客様が「起き上がりこぼし」を製作するメーカーの社長様でした。
社長様よりお声掛けいただいた事がきっかけとなり、「起き上がりこぼし」文化を終わらせたくないとの思いが一致し、レトロデザインの「起き上がりこぼし」を製造する運びとなりました。
それから、製品の大きさ・色・デザイン・表情・音色・当時製のリボンを使用するなど、レトロでかわいいデザインにこだわり、何度も何度も打ち合わせと試作を行い製造致しました。